理事長挨拶

理事長に就任して

 この度、日本泌尿器内視鏡学会の第12代理事長に就任いたしました。会員数4,000名を数える本学会理事長を拝命することは身に余る光栄であり、責務の重さに身が引き締まる思いです。2016年11月より2年間、微力ではありますが、日本泌尿器内視鏡学会の発展のために力を尽くしたいと思いますので、会員の皆様にはご指導、ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
 泌尿器科における内視鏡手術等低侵襲医療は、非常に大きな診療領域を占めております。1980年代に始まった上部尿路結石に対する内視鏡治療や体外衝撃波結石破砕療法の導入・普及に対応し、1987年12月に日本Endourology・ESWL研究会が開催され、本学会の歴史が始まりました。1990年には日本Endourology・ESWL学会となり、1997年には泌尿器腹腔鏡下手術研究会が合流しました。その後腹腔鏡手術の普及とともに会員数も増え、2011年には名称を日本泌尿器内視鏡学会に改称しました。2015年9月には法人化され、一般社団法人日本泌尿器内視鏡学会(Japanese Society of Endourology、略称JSE)となりました。この間、医療機器・医療技術の開発・普及により泌尿器科における低侵襲医療は目覚ましい発展を遂げました。今後さらなる発展が期待されています。
 一方、新しい医療技術の開発・導入に伴って、国民から安全で安心な低侵襲医療の実施が強く求められるようになりました。泌尿器腹腔鏡手術を安全に普及し実施するために、トレーニングコースや講習会など教育制度を整備し、日本内視鏡外科学会とともに2004年より泌尿器腹腔技術認定制度を開始しました。多くの泌尿器科医が技術認定を取得し、泌尿器腹腔鏡手術の安全な普及に大きく貢献しています。ロボット支援手術の導入においても安全を第一に担保するため、泌尿器科領域におけるda Vinci支援手術を行うに当たってのガイドラインを作成・周知するとともに、プロクター認定制度を制定し、ロボット支援手術の安全な導入・普及に努めてきました。ロボット支援手術は今後ますます存在意義が大きくなります。さらに上部尿路結石や膀胱癌・前立腺肥大症に対する内視鏡治療も新しい医療技術の開発に伴い、目覚ましい発展を続けています。低侵襲医療の開発・導入・普及に果たす日本泌尿器内視鏡学会の役割は大きく、安全・安心な医療の実施に対する国民・社会からの期待・要請に対して真摯に応えなければなりません。
 他方、国外に目を向ければ、欧米やアジア諸国など海外の学術団体との交流、低侵襲医療の導入が進んでいない国への支援など、対外的な活動にも関わってきました。日本泌尿器内視鏡学会に求められる学術的・技術的な国際的役割は今後さらに増すものと思います。国内では、より安全で安心な低侵襲泌尿器科医療を達成するため、日本泌尿器科学会、日本内視鏡外科学会等との連携を深める必要があります。保険診療においてもロボット支援手術等新しい手技の保険収載に向けた連携が必要になります。さらに、新しい医療機器・医療技術の開発・導入には企業との連携も重要です。より低侵襲で安全な医療機器の開発・普及もまた本学会の重要な使命です。このように国際的、国内的な学術団体・企業との連携をさらに発展させる必要があります。
 我が国の医療における日本泌尿器内視鏡学会に求められる役割は多岐にわたり、他学会や企業と連携しながら、国民に対して安全で安心な泌尿器科低侵襲医療を提供しなければなりません。今後も会員数の増加が予想され、新しい医療技術の開発・普及のために、会員の皆様とともに努力していきたいと思います。会員の皆様の声を聞き、会員の皆様のご協力により、会員および国民のための日本泌尿器内視鏡学会として発展させるべく尽力する所存です。会員の皆様のご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

金山 博臣
徳島大学大学院医歯薬学研究部泌尿器科学分野教授