理事長挨拶

このたび、日本泌尿器内視鏡学会の理事長を拝命いたしました。

本学会は、1987年に設立された日本Endourology・ESWL研究会を始まりとして今日まで発展してきた学会であり、すでに30年以上の歴史があります。その間、日本Endourology・ESWL研究会が1990年に学会となり、腹腔鏡手術の普及とともに2011年日本泌尿器内視鏡学会に名称が変更され2015年に法人化されました。会員数は、すでに4000名を越え日本泌尿器科学会のなかでは最も会員数の多いサブスペシャリテイ学会に発展して参りました。これは、ひとえに会員の皆様方のご支援の賜物であり、泌尿器科領域のなかでいかに内視鏡治療が重要な領域であるかを示していると思います。

本学会の使命としては、内視鏡治療の安全な普及・教育、医療の質の向上、新規医療技術・医療機器の開発・導入、新規保険医療の申請・導入、国際交流・貢献などであると考えています。
これらの使命を果たしていくためには、学会の財務を安定化させ、学会員の方々のご意見を賜りながらひとつひとつ地道に事業を計画し、着実に進めていく必要があります。

内視鏡治療の安全な普及・教育、医療の質の向上におきましては、すでにさまざまな医療技術教育のためにトレーニングコース、講習会等が開催され、Webビデオも提供されています。また、教育のためのe-learningシステムも構築されていますが、腹腔鏡技術認定のみならず今後はこのシステムをロボット手術、前立腺肥大症や尿路結石治療に対する内視鏡治療や新規治療などのさまざまな領域での標準的治療の習得のための教育に活かしたいと思います。とくにロボット手術は、保険導入とともに今後さらに普及してくると考えていますが、プロクター認定制度や講習会も活用し、安全な普及、質の向上に引き続き努めて参りたいと思っています。また、内視鏡治療に関連するガイドラインも会員の方々のお役に立てるよう日本泌尿器科学会と連携して作成し、臨機応変に改訂して参ります。

新規医療技術の最終ゴールは、保険収載を獲得し患者さんに提供することであると思います。したがって、学会としても新しい医療技術に対する保険収載の獲得に向けて積極的に活動して参りたいと思います。
また、新規医療技術には新しい医療機器の開発が必須です。新しい医療機器は、薬剤開発のように外科的な治療体系を大きく変えて参ります。日本では国産医療機器の開発が遅れ、多くは輸入機器に頼っていますが、学会としても企業との連携を強化し医工連携を進め、国産医療機器開発に取り組んで参りたいと思います。
さらに、医療界のグローバル化が進む中、国際交流・貢献は重要であり積極的に活動し、アジア、世界において日本泌尿器内視鏡学会のプレゼンスを高め、世界における内視鏡治療学をリードして参ります。特に、教育面では、学会として海外からの研修を受け入れるとともにすでにインドネシアで行われているような海外での技術教育を進めていくべきであります。

本学会は、医療技術面の教育・普及、質の向上、新規医療技術の開発が主眼となっていますが、これら医療技術を提供していくにあたって倫理面も含め的確な治療選択と患者選択もできる優れた医療従事者を育てていく学会にして参りたいと思いますので、さまざまな形で会員の皆様方のご支援・ご協力をよろしくお願いします。

神戸大学大学院医学研究科
腎泌尿器科学分野 教授
藤澤 正人