理事長挨拶

2020年11月から日本泌尿器内視鏡学会理事長を拝命しました羽渕友則です。

 泌尿器科は腎、副腎、腎盂尿管、膀胱、前立腺、男性生殖器、女性骨盤臓器など広く多くの臓器の疾患を扱う科です。このような広範な臓器の疾患を内視鏡や最新機器を用いて診断し、外科的に治療する、という近代外科的性格を持つのも泌尿器科の特徴であります。
 この日本泌尿器内視鏡学会は内視鏡や最新機器を用いた泌尿器科の診断・治療、外科手術療法に焦点をあて、その正確性、低侵襲性を極め、安全な普及、発展に努め、寄与することを目的としております。最終的には患者さんや国民の健康と福祉の増進に貢献することが本学会の目標であります。
 本学会の前身であります「日本Endourology・ESWL研究会」は1987年に第1回の学術大会が開催され、1990年に「日本Endourology・ESWL学会」に発展し、2011年には現在の「日本泌尿器内視鏡学会」となりました。
 これまで、本学会や本邦の泌尿器科の諸先輩先生方の大いなるご尽力により、膀胱鏡、腎盂尿管鏡、尿路上皮癌の切除機器、腹腔鏡手術関連機器、尿路結石破砕機器、前立腺肥大症の治療機器、等、医療工学分野との連携によって、世界に広く用いられることになった多くの医療機器の開発を主導してきました。そして、これらの最新の機器を用いて最新の医療を安全に普及してきたのも本学会と会員の先生方の大きな貢献と考えています。
 1990年代になりますと、腹腔鏡手術が泌尿器科領域へ導入され、泌尿器腹腔鏡手術は飛躍的に発展、普及しました。この手術においては本邦の泌尿器科は世界でも最先端の術式や技術を開発し、世界に向けて情報発信を行ってきました。その間、腹腔鏡手術に関する医療事故にも遭遇し、この安全な普及と定着のために世界でも類をみない泌尿器腹腔鏡技術認定制度を発足し、大きな教育的効果を上げています。これも本学会の医療への大きな寄与です。
 近年では泌尿器科はロボット支援腹腔鏡下手術を他科に先駆けて導入、一般化しましたが、このロボット支援腹腔鏡下手術の安全な導入と普及にも本学会が大きな役割を果たしてきたと自負しています。ロボットやAIを用いた診断・治療機器や支援手術は今後も泌尿器科の大きな診療分野として発展することは間違いなく、本学会は今後も重要な責務を負っていくものと考えております。
 最新機器を用いた診断・治療の安全な普及のための本学会会員への教育企画や機会の提供、海外の学会や団体との連携も本学会の重要な責務であり、今後も会員の要望やニーズを汲み取った運営を進めていきます。
 このように日本泌尿器内視鏡学会は今後も新たな内視鏡や機器の開発や導入、新規の診断・治療、外科手術療法の安全な普及、発展に努め、医療や医学に貢献することを目的に会員諸氏とともに活動を続けます。

 会員の皆様におかれましては、上記の目的達成のためのご協力、ご助言を大いに期待しております。どうぞ宜しくお願いいたします。

秋田大学大学院医学系研究科
腎泌尿器科学講座
教授  羽渕 友則